介護職は高齢者の体位変換など中腰で行う作業や、抱きかかえて就寝介護をするなど腰に負担のかかる仕事をする場面が多いです。ぎっくり腰になるなんてこともしばしば…。腰痛に悩まされている介護士さんは多く、慢性的に腰痛を抱えている方もいます。
本記事では、腰痛の悪化を防ぐ方法や、腰痛で悩む介護士さんにおすすめの施設形態などをご紹介します。
介護士さんが腰痛に悩まされている現状
厚生労働省の「介護労働の現状と介護雇用管理改善等計画について(p.15)」を見ると、「身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)」と答えた介護職員は2019年時点で29.5%。であることがわかります。つまり、介護職員の約3割が腰痛等について悩んでいるのが現状です。
職業柄、腰に負担がかかる作業が多いのが事実。続いては少しでも、腰痛にならないようにするために腰痛を予防する方法をご紹介します。
▼出典
厚生労働省「介護労働の現状と介護雇用管理改善等計画について(p.15)」(2023年3月9日)
腰痛を予防する方法
腰痛を悪化させない方法として以下の5つが挙げられます。
1:普段から良い姿勢を意識する
正しい姿勢を保つことはとても重要です。座っているときは、背中をまっすぐにし、猫背にならないように意識しましょう。また、長時間同じ姿勢でいることを避けるため、たまに立ち上がって伸びをすることも腰痛防止に効果的です。
2:適度な運動を行う
運動は逆効果のように思えるかもしれませんが、腰痛を防止するためにも筋肉をつけることは重要です。筋力を強化するための運動を始めてみてはいかがでしょうか。ウォーキング、水泳、ストレッチなど、低負荷の運動が適しています。ただし、急激な運動は避け、自分に合った運動を見つけて無理はしないようにしましょう。
3:適切な寝具を使う
適切なマットレスや枕を使うことで、腰痛を緩和することができます。睡眠は1日の3分の1を占めるため、非常に重要です。少し高価でも良いので、硬すぎず、柔らかすぎず、自分に合った寝具を選ぶようにしましょう。
4:重いものを運ばない
これは最も根本的ですが、重要なポイントです。重いものを運ぶときは、腰に負担をかけないように注意しましょう。重いものを運ぶときは、腰に力を入れず、膝を曲げて荷物を持ち上げ、背筋を伸ばすようにしましょう。
ただ、介護士さんは仕事の内容上どうしても利用者さんを抱きかかえて介護したり、中腰で重いものを持ち上げたりする場面が多々あります。どうしても腰痛でお悩みの介護士さんは後で紹介する『腰痛で悩む介護士さんにおすすめの施設形態』の項目を見てみてください。
5:ストレスを溜めない
実はストレスと体の調子は大きく関係しています。ストレスは、腰痛を悪化させる原因の1つです。ストレスを減らすために、運動、瞑想、ヨガ、マインドフルネスなど、自分がリラックスする方法を探してみることがおすすめです。
これらの方法を試しても腰痛が改善しない場合は、病院に行って専門家の診断を受けることをおすすめします。
腰痛で悩む介護士さんにおすすめの施設形態
どうしても今の職場が腰に負担のかかる仕事が多く困っている介護士さんには、以下のような施設形態がおすすめです。
グループホーム
グループホームとは、高齢者や身体障害者、精神障害者など、特別な支援が必要な人々が共同で生活する施設です。グループホームは、その利用者が自立した生活を送るための支援を提供する場所であり、家庭的な環境の中で共同生活を送ることで、社会性やコミュニケーション能力の向上、孤立感の緩和などを図ります。
以上のように、グループホームは他の施設と比べて介護度が低い利用者さんが利用するケースが多いです。家事や見守り、利用者さんとのコミュニケーションなどの機会が多く、重労働な介護をする機会が少ないです。そのため、腰痛に悩まされている介護士さんにおすすめの施設と言えます。
リハビリデイサービス
リハビリデイサービスは、病気やけが、身体的・精神的な障害により、社会生活に支障が生じた人々が、専門職員によるリハビリテーションプログラムを受けながら、日中を過ごすためのサービスのことを指します。利用者さんは、病院や施設から、デイサービスセンターに送迎され、そこでリハビリテーションや作業療法、認知療法、運動療法、栄養指導など、さまざまなプログラムを受けることができます。
以上のように、リハビリデイサービスもグループホーム同様、家事や見守り、利用者さんとのコミュニケーションなどの機会が多く、重労働な介護をする機会が少ないです。
腰痛で悩まされる介護士さんにおすすめの施設形態をご紹介しました。介護職における腰痛に悩まされるようであれば、上記のような施設への転職を検討してみてはいかがでしょうか。ただどうしても腰痛が改善しない場合は、医師の診断や指示に従い、治療に専念することも必要です。
介護ロボットの将来性
介護ロボットは、介護現場において負担軽減や効率化のために期待されている技術の一つです。介護ロボットが普及して、重労働を任せられるようになれば、介護士さんの慢性的な腰痛は減少するでしょう。
介護ロボットの将来性についていくつかご紹介します。
介護士の負担軽減
介護ロボットが、身体介助や排泄介助、移動補助などの作業を担うことで、介護士の負担を軽減できます。一方で介護士は、ロボットが担うことのできる作業以外に、精神的なケアやコミュニケーションなどの分野で活躍する機会があります。
人手不足の解消
介護ロボットが普及することで、介護現場の人手不足の問題を解消することができます。介護ロボットが身体介助などの作業を担うことで、介護士の人数を削減することができます。
高度な介護の可能性
介護ロボットの技術は、今後ますます進化することが期待されてます。例えば、人工知能やセンサー技術を組み合わせることで、高齢者の状態や健康状態をリアルタイムで把握し、必要なケアを行うことが可能になるとされています。介護ロボットが進化することで、より高度な介護が可能になる期待が寄せられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、腰痛の悪化を防ぐ方法や、腰痛で悩む介護士さんにおすすめの施設形態などについてご紹介しました。
腰痛は普段のちょっとした心掛けから予防することができます。自分の寝具などを今一度見直してみるのも効果的です♪
また、どうしても腰痛が治らない…という介護士さんには腰に負担がかかる仕事の少ない職場に転職してみるのはいかがでしょうか。
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