介護福祉士になるのは簡単?資格取得の難易度って?

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「介護福祉士ってどんな仕事なんだろう」「資格難易度は簡単すぎると聞いたが本当なのかな」と考えている方もいるのではないでしょうか?介護福祉士とは、介護・福祉の国家専門職として、介護者一人ひとりにとってベストな身体介助と生活援助をしていく仕事です。介護福祉士として働くためには、国家資格の取得が必須です。受験要件を満たすカリキュラムを履修する必要があります。この記事では、介護福祉士になるために必要な国家試験の受験要件や合格難易度を紹介し、簡単に介護福祉士になれるのかどうかを説明していきます。

介護福祉士になるのは簡単すぎ?試験難易度や資格取得ルート

介護福祉士になるのは簡単すぎる、という意見が見られることもありますが、実際のところ、受験要件や試験の難易度はどうなっているのか気になっている方も多いでしょう。この章では、介護福祉士の合格基準や合格率、そのほかの介護系資格との難易度を比較し、介護福祉士国家試験の受験要件を得る4つのルートについて解説します。

介護福祉士は簡単?実際の難易度

介護福祉士の近年の合格率は7割前後で推移しています。最新の令和4年3月に実施された試験の合格率は72.3%でした。直近5年間の合格率をまとめると以下の通りです。このように、近年では介護福祉士国家試験の合格率は7割前後と高めです。以下では、どのような基準で合格できるのかと、ほかの介護系資格との難易度の比較を紹介します。

介護福祉士の合格基準とは

介護福祉士の試験は筆記と実技の2種類からなり、それぞれで60%以上の得点を獲得した受験者が合格できます。筆記の問題で出題されるのは、以下の11テーマです。

  1. 人間の尊厳と自立、介護の基本
  2. 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
  3. 社会の理解
  4. 生活支援技術
  5. 介護課程
  6. こころとからだのしくみ
  7. 発達と老化の理解
  8. 認知症の理解
  9. 障害の理解
  10. 医療的ケア
  11. 総合問題

1問1点の125点満点の試験で、それぞれの科目で少なくとも1点以上は得点する必要があります。各問題の難易度によって、最終的な得点率が調整される仕組みです。実技に関しても60%以上の得点率を基準とし、課題の難易度によって得点が調節され、補正の点数以上で実技試験は合格とみなされます。
その他の介護系試験の合格率
無資格から挑戦できる介護職員初任者研修の合格率は9割前後で、国家資格である社会福祉士の合格率は3割前後でした。無資格からでも取得できる資格よりは難易度が高く、同じく国家資格である社会福祉士と比較すると圧倒的に難易度が低い試験だといえます。また、社会福祉士などの違う介護系資格と、試験の科目数や出題形式が違っていたり勉強する内容に違いがあったりすることも、合格率が違う要因の一つです。

介護福祉士になるまでの主な4つのルート

介護福祉士国家試験を受験して介護福祉士になるためには、受験要件を満たすルートで介護・福祉のカリキュラムを履修する必要があります。受験要件を満たす主なルートは、以下の4つです。

  • 養成施設ルート-2年間の養成機関・実務経験を3年以上
  • 福祉系高校を卒業する
  • 経済連携協定(EPA)ルート-外国籍の方向け

ここでは、これらのルートの具体的な内容について紹介します。

養成施設ルート-2年間の養成期間

2年間に及ぶカリキュラムを養成機関・養成施設で履修することで、受験要件を得るルートです。ちなみに、福祉系大学・社会福祉士・保育士養成施設などを卒業した人も、養成機関で1年以上のカリキュラムを履修すれば受験要件を満たせます。

実務経験ルート-実務経験は3年以上

実務経験を3年以上積んでいる方は、実務者研修か介護職員基礎研修、もしくは喀痰吸引等研修を受けることで、介護福祉士国家試験の受験要件を満たせます。3年以上の実務経験だけでは、受験要件を満たせない点に注意しましょう。
福祉系高校ルート-2009年以降は基準が変更
2009年以降に福祉系高校を卒業した方であれば、誰でも介護福祉士国家試験の受験要件を満たせます。その一方で、2009年以前に福祉系の高校に入学した方、もしくは特例高校を卒業した方は、特定の研修を受け実技試験が免除されて筆記試験のみを受験するか、研修を受けずに実技試験と筆記試験を両方受けるかを選択できます。ちなみに、養成施設ルートや実務経験ルートなら、実技試験が無条件で免除されます。

経済連携協定(EPA)ルート-外国籍の方向け

経済連携協定(EPA)を結んでいるフィリピンやベトナム、インドネシア人向けのルートで、実務経験が3年以上あることが条件になっています。福祉系高校ルートと同じく、特定の研修を受けると筆記のみ、研修を受けないと筆記と実技試験を両方受ける必要があります。

介護福祉士の具体的な3つの仕事内容

介護福祉士の仕事内容には、以下の3点が挙げられます。

  • 身体介護
  • 生活援助
  • 医療的なケア
  • 介護の相談サポート

それぞれの仕事内容を確認して、介護福祉士の仕事をイメージしてみましょう。

1.身体介護・生活援助

介護福祉士のメインとなる仕事は、要介護者の着替えや食事、入浴補助、歩行補助などの身体介護、買い物や洗濯、部屋の片付けなどの生活援助です。介護者一人ひとりに寄り添って、日常生活を問題なく送るために必要な介護・福祉を提供することが求められます。身体介護や生活援助の中で、介護者が行うことができることは多いですが、特別な技術や知識が必要となる場合もあります。

2.医療的なケア

医療的なケアは、身体介護や生活援助とは異なり、医療行為に該当するものを指します。例えば、胃ろうの管理や薬の投与、糖尿病の管理などが挙げられます。介護福祉士は、医療スタッフと連携を取りながら、要介護者に必要な医療的なケアを提供することが求められます。

3.介護の相談サポート

介護福祉士は、要介護者やその家族からの相談に応じたり、必要な情報提供を行うなどの相談サポートも行います。介護に関する悩みや問題を抱えている方々へのサポートが求められます。
介護福祉士の仕事は、要介護者やその家族と密接にかかわる仕事であり、身体的・精神的な負担が大きいことがあります。しかし、介護者が支えることで、要介護者の生活の質が向上することや、家族の負担が軽減されることによって、介護者にとってのやりがいや意義も大きい仕事です。

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