訪問介護をしているとゴミ出しをすることがありますが、中には「ゴミを持ち帰って」と頼まれたことがある方もいるかもしれません。
しかし、ホームヘルパーが利用者の自宅で出たゴミの持ち帰りをすることはできません。
この記事では、ゴミの処理に関する訪問介護サービスの業務範囲についてや、頼まれた場合の対処法を解説していきます。
ゴミの持ち帰りはサービス範囲外
ホームヘルパーは利用者の「自立した生活」の支援しかできない
ホームヘルパーは、介護保険制度で定められた範囲にしか対応できません。また、その範囲内であっても、事前にケアマネージャーが設定したケアプランにない支援はできないことになっています。
介護保険制度で定められた範囲というのは、簡単に言うと利用者の自立した生活のための支援であるかどうかです。
- 利用者本人に必要なこと
- 日常生活に必要なこと
どちらも満たしている必要があります。
そのため、例えば、利用者の家族の分の食事を作ったり、嗜好品であるお酒やたばこを買ってきたりということもできません。ゴミの持ち帰りに関しても、ホームヘルパーが利用者のゴミを持ち帰って処分することは日常生活に必要なこととは判断されないため、特別な理由でケアプランに含まれていない限り不可能ということになります。
ゴミ出しの範囲は、日常生活における最低限
「ゴミの持ち帰り」は業務範囲外であるものの、「ゴミ出し」に関しては業務に含まれることがあります。しかし、しつこいようですがその範囲も日常生活で最低限必要な範囲に限ります。例えば、大掃除や大掃除で出たゴミの処理、利用者が使用しない部屋(他の家族の部屋など)の掃除やゴミ捨てなどは範囲外となります。また、ゴミ出しに二人以上必要なごみの処理についても介護保険適用外となるため処理する必要はありません。
頼まれてしまった場合のために、適切に理由を説明できるようにしておきましょう。
自分で出したゴミは持ち帰る
ゴミの持ち帰り自体はサービス範囲外ですが、自分で出したゴミも利用者さんの家に捨てていこうとするのはマナー的によいとは言えません。自分が飲み食いしたもののゴミや、介護で自分が使用した使い捨てマスクや手袋などのゴミも持ち帰る方がよいでしょう。
ゴミを持ち帰ってと言われたらどうすればいい?
ケアマネージャーに相談する
ケアマネージャーや事業所がゴミを持ち帰る必要があると判断した場合は問題なく持ち帰ることができるため、ケアマネージャーに相談して契約内容の検討につなげるのも一つの方法です。頼まれた場合は、すぐに断らずにケアマネージャーに相談することを伝えると良いでしょう。
ゴミ出しサービスを紹介する
中には、介護保険外のサービスを提供している企業や、自治体としてゴミ出しサポートを行っているところがあります。どうしても捨ててほしいものがある利用者さんには、一度そのようなサービスについて伝えてみるのもよさそうです。
また、令和2年度の「高齢者ごみ出し支援制度導入の手引き」によると、世帯の数や実態に応じて地方公共団体がゴミ出し支援制度を導入できるように体制を整えているようです。今後のゴミ出しは、訪問介護としてのサービスではなく地域としての支援に移行していくことも期待できます。
ゴミの分別のみ手伝う
分別からサポートすることで、ホームヘルパーがゴミを持ち帰らなくても良い状況を作るという方法です。しかし、こちらも業務範囲がどこまでなのかという問題にかかわってくるので、ケアプランの変更をケアマネージャーに相談する必要があります。利用者さんが分別しやすいように、ゴミ箱に大きく「燃えるゴミ(紙・糸)」「燃えないゴミ(プラ・ビニール)」などと記載してわかりやすくするというような工夫をしてもいいかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は訪問介護のゴミの持ち帰りについて解説しました。利用者さんには特に誤解されやすい部分ですので、ホームヘルパー自身から詳しく説明できるようになっておくと良いと思います。ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
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