今、介護福祉士の需要がどんどん高まっているのをご存じですか？
求人を見てみると、介護施設や訪問介護事務所の介護福祉士募集は非常にたくさん見受けられます。そして、高齢化社会における介護の重要性は高まるばかりか、実は介護の現場は既に慢性的な人手不足なのです。
今回は、なぜそんなに介護福祉士の需要が高まっているのか、深く掘り下げて紹介していきます。
介護の質を支える専門性
かつて、介護は食事や入浴、トイレ介助など、「生活全般のサポートを提供するもの」という捉え方をされていましたが、現在では、身体と心の状態を詳細に分析し、計画的なケアを展開することが求められるようになってきています。これは、年々認知症の人が増加していることも一因であり、身体と心の両面にわたるケアの必要性が高まっているからです。このような介護の専門化が求められることが、介護福祉士の需要が高まっている一つの理由とされています。
介護福祉士は、倫理的な責任や介護の原則についてもしっかりと学び、専門的な知識や技術、経験を持っていて、介護の考え方の軸となる「自立支援」に向けた具体的な技術を教えたり助言したりすることもできます。こうした専門性や根拠に基づいたケアを提供できるスキルから、介護福祉士はますます必要とされているのです。
介護職員不足を補う「介護福祉士」
ご存じの通り、少子高齢化、超高齢化社会などの言葉や、高齢者の増加に伴う将来的な介護職員不足の懸念はよく取り上げられていますが、そんな介護職員不足の問題に対し、「介護の質を落とさず、高齢者の増加に対応できる状況を整える」という目的のためには、介護福祉士の存在が重要になるといわれています。
介護福祉士を中心とした介護現場
介護福祉士は、この資格を持っていない普通の介護職員より介護におけるスキルが高いことはもちろん、介護チームのリーダーとして指示をしたり、現場をまとめたり、後輩の指導をしたりなどもできる存在です。高齢者増加に伴い多様化する介護ニーズそれぞれへ対応するために、チームでかかわっていくことが必要とされている現在において介護福祉士の必要性は言うまでもありません。
専門性が高い介護福祉士をチームの中心、あるいは現場の中心として介護職員を構成することが、介護職員不足の中でできる限り介護の質を落とさないようにするためのカギだとされています。
介護福祉士の配置が加算理由の一つに
サービス提供体制強化加算
介護保険制度において導入された制度の一つに「サービス提供体制強化加算」があります。サービス提供体制強化加算とは、サービスの質が一定以上保たれた介護事業所を評価する加算制度で、追加の経済的な支援を受けることができる仕組みです。質の高いサービスの提供、介護従事者の離職防止、職員のキャリアアップの促進を目的として導入されました。
事務所における介護福祉士の需要の増加
具体的には、介護事業所に資格保有者である介護福祉士がどのくらいの割合でいるのか、勤続年数が3年以上の者が一定以上雇用されているかなどが加算算定の条件となっていて、つまり、介護福祉士の一定数以上の配置によって介護事務所がサービス提供体制強化加算の対象になることが理由で、事務所などで介護福祉士の需要がますます高まっているのです。
平成27年度介護報酬改定ではこの取り組みをより強化させる方針が掲げられ、介護福祉士の割合が高い事務所への加算が増額となるなど、介護現場における介護福祉士の重要性が強調されています。
「認定介護福祉士」制度
国が求めているのはより専門的で高度なスキルを持つ介護人材であり、それを実現させるため導入されたのが「認定介護福祉士」という資格制度です。介護福祉士の上位資格として『一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構』が2015年12月から認証・認定を開始した民間資格で、介護の専門家としての地位やキャリアアップの機会を提供し、介護の質の向上に寄与することを目指しています。
認定介護福祉士は、介護チームのリーダーシップを担い、介護サービスの質向上に寄与する役割を果たし、医師や看護師、リハビリテーション職と協力し、連携を図る中心的な存在であるとともに、施設や事業所、ボランティアなど地域の介護力を引き出すために、助言や支援も行うことを期待されています。
この認定介護福祉士制度は、介護福祉士を取得した後にさらなるキャリアアップを望む人々にとって、より専門的な道を提供するものになるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、今特に必要とされている介護福祉士の需要とその理由について紹介しました。
介護職員、そして介護福祉士の需要は、2025年には4人に1人が後期高齢者になるともいわれているように、今後もますます高まっていくでしょう。
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