「介護士」と「介護福祉士」、名前が似ているため具体的にどういった点で異なるのかよくわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、それぞれの業務内容や必要な資格、お給料などの待遇面などの違いを紹介します。
介護職に就きたいけど、どちらを目指せばいいのか、そもそも違いがわからないといった方にお役に立てる記事となっております。
介護士と介護福祉士の違いとは?
介護士は介護のお仕事に就いている人全般を指します。
介護福祉士は国家資格なので、介護福祉士国家試験に合格する必要があります。
資格の有無で業務内容にも違いがあるため、介護士と介護福祉士のそれぞれの具体的な業務内容を下記で紹介します。
介護士の業務内容
「介護士」という名称から介護職に就くために特別な資格があるかと思ってしまいますが、資格がなくても介護士として働くことはできます。
介護士は、介護施設で介護のお仕事に従事している人や、訪問介護サービスにおいて身体介護や生活援助などを行うホームヘルパー、または訪問介護員を指すことが多いようです。
具体的な業務内容の例として、入浴介助や排泄介助、食事介助、移動介助、着替えの手伝いなどがあります。また、レクリエーションの企画や実施など、利用者の生活全般にわたるサポートを行います。
ただし、全くの未経験かつ介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)などを受けていない場合、業務内容に制限がある場合があります。
また、研修を受けていない場合は正しい介護方法や福祉用具の使い方などの知識を持っていないため、安全面でのリスクが高くなる可能性があるのでお仕事をする際は注意が必要です。
介護福祉士の業務内容
介護福祉士とは介護業界唯一の国家資格である介護福祉士国家試験に合格した人のみがなれる職業です。
介護士と同様に身体介護や生活援助を行うことがありますが、福祉に関する知識や技術も持っているため、利用者の心理的なケアや、家族や地域との連携など、幅広い介護サービスに携わることができます。
例えば、ケアプランの作成や見直し、介護保険の手続きの支援、介護現場での問題解決などに関われます。
また、介護福祉士は、利用者の生活環境や社会的背景などを考慮して、その人に合った支援を提供することができます。
働ける場所の違い
介護士と介護福祉士は共に介護に従事する職業ですが、資格の有無で業務内容が変わってくることが分かりました。
業務内容の違いによって、介護資格の有無で働ける場所にも影響があるようです。
介護士が働ける場所
介護士は、主に介護施設や訪問介護事業所、デイサービスなどの現場で活躍します。
具体的には、老人ホームや特別養護老人ホーム、グループホーム、介護療養型医療施設などがあります。
また、訪問介護やデイサービスの場合は、利用者の自宅や地域の施設で働くことが多いです。
介護福祉士が働ける場所
介護福祉士は、介護施設や訪問介護事業所、デイサービスだけでなく、行政機関や福祉団体、社会福祉協議会、保育園など、福祉に関する幅広い分野で活躍することができます。
介護福祉士の資格を取得していると、介護の知識と技術、経験を備えたプロフェッショナルと認められ、福祉に関する専門知識やスキルが求められる職場で活躍することができます。
現場ではリーダー的な役割を果たすことも多く、介護現場の中心的存在として働けます。
給料などの待遇の違い
資格の有無で携われる業務内容や就職先が異なるため、介護士と介護福祉士では平均的な月給に差が出てくるようです。
介護士の平均月給
厚生労働省の「令和4年度介護報酬改定報告書」によると、介護士の平均月給は、正職員で月給20.1〜23.4万円程度でした。この他にも、残業や深夜勤務などの割増賃金が支払われる場合があります。
また、賞与は年間で2か月程度が平均で、年間休日は106日ほどが一般的のようです。
介護福祉士の平均月給
同じく厚生労働省による「令和4年度の介護報酬改定報告書」によると、介護福祉士の平均月給は、地域や施設によって異なるため一概には言えないですが正職員で月給23.4〜28.7万円だそうです。
また、賞与は年間で2.5か月程度が平均で、年間休日は105日程度でした。
介護福祉士は、介護職の中でも高度な技術や知識を持ち、責任ある役割を担うことが多いため、その分給与も高い傾向がありますが、現場での負担やストレスが大きく、その点については問題が指摘されており、改善が望まれます。
介護福祉士を目指すメリット
業務内容や給与面などをみても、介護職を目指す人にとって介護福祉士は目指したい職業ですよね。
これまで紹介した内容から、介護福祉士を目指す利点をまとめてみました。
給料UP
介護職は人手不足のために求人数が増加しており、求人によっては介護士でも高い給与が提示される場合があるとはいえ、介護福祉士の資格を取得することでキャリアとしても更なる高みを目指すことができます。
例えば、介護福祉士の資格を持っていると、持っていない時と比べて「資格手当」が発生します。
また、リーダーや責任者を任されることも多く、その「役職手当」によって、さらなる給料アップも見込めます。
キャリアアップにつながる
介護福祉士は職場のリーダーのような立場になることが多く、管理職を目指せます。介護福祉士として、5年以上の実務経験を積むことで、介護支援専門員(ケアマネジャー)を目指すこともできます。
就職、転職で有利
介護資格の中でも上位の「介護福祉士」を持っていれば、介護の知識やスキルが身についていると認められ、就職、転職に役立ちます。
例えば、介護士転職比較サイトの「かいごの森」では介護福祉士の方に対して、高時給・好条件な求人が掲載されています。
資格を持っている他のメリットとして、
- 利用者や同僚など、みんなから信頼される
- 適切な技術を身につけることができるので身体を痛めにくい
などのメリットが挙げられます。
まとめ
本記事では、介護士の資格の有無による業務内容や待遇面の違い、介護福祉士を目指すメリットを紹介しました。
介護職に興味がある方は、まずは無資格でも働ける職場を見つけて、自分が介護の仕事が向いているかを確かめてみるのはいかがでしょうか。
働きながら資格を取得するために勉強するのもおすすめです。
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