介護の業界で働いている方にとって、訪問介護の2時間ルールを理解しておくことは必要不可欠です。「言葉は聞いたことがあるけど、詳しい仕組みについては理解しきれていない、、、」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、訪問介護の2時間ルールについて、どのように算定されるのかや、適用条件、例外など、詳しく解説していきます。
2時間ルールとは
算定の仕組み
まず、2時間ルールを知る上で重要な、訪問介護の単位数について説明していきます。
身体介護の単位数
排泄や入浴、着替えなどの介助を指す身体介護の単位数は以下の通りです。
時間 | 単位数 | 料金(1単位=10円の場合) |
身体0:30分未満 | 255 | 2,550円 |
身体1:30分以上1時間未満 | 402 | 4,020円 |
身体2:1時間以上2時間未満 | 666 | 6,660円 |
身体3:2時間以上3時間未満 | 833 | 8,330円 |
身体4:3時間以上4時間未満 | 999 | 9,990円 |
*自己負担額は料金の1割
身体0‥排泄介助・体位交換・服薬・起床・就寝など
身体1‥食事介助や更衣介助など
身体2‥入浴介助など
身体3,4‥複数の介助の組み合わせ
生活援助の単位数
訪問介護利用者の代わりに家事を代行する、生活援助の単位数は以下の通りです。
時間 | 単位数 | 料金(1単位=10円の場合) |
生活2:45分未満 | 183 | 1,830円 |
生活3:45分以上 | 225 | 2,250円 |
*自己負担額は料金の1割
身体介助+生活援助の単位数
身体介助と生活援助を組み合わせた介護サービスを行う場合の単位数は、以下の通りです。
時間 | 単位数 | 料金(1単位=10円の場合) |
身体1+生活1: (身体介護30分以上1時間未満+生活援助20分以上45分未満) |
317 | 3,170円 |
身体1+生活2: (身体介護30分以上1時間未満+生活援助45分以上70分未満) |
384 | 3,840円 |
身体1+生活3: (身体介護30分以上1時間未満+生活援助70分以上) |
451 | 4,510円 |
身体2+生活1: (身体介護1.5時間以上2時間未満+生活援助20分以上45分未満) |
463 | 4,630円 |
身体2+生活2: (身体介護1.5時間以上2時間未満+生活援助45分以上70分未満) |
530 | 5,300円 |
*自己負担額は料金の1割
厚生労働省 「介護給付費等単位数サービスコード」
2時間ルールで金額が変わる
以上のように、訪問介護の金額は時間によって決められた単位数で変動します。
例えば、身体介護を1日に2回、40分間ずつ行うとします。
それぞれのサービスの間が2時間空いていると、この2回にはそれぞれ身体1の単位数が適用され、合計は402+402=804となります。
しかし、2時間空けずに行うと、一回のサービスとみなされ、40分×2=80分(1時間20分)で身体2の適用となり、単位数は666となります。
この例の場合、2時間ルールがあるかないかで単位数は138も差があります。
例外
頻回型の事業所による20分未満の身体介護
平成27年度の介護報酬改定により、「20分未満の身体介護」という区分が新たに位置付けられました。それにより、本来であれば複数回行う場合には2時間ルールが適用されますが、頻回型(定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業者の指定を受けている、または実施に関する計画を策定している)の事業所では適用されません。
厚生労働省「訪問介護及び訪問入浴介護(参考資料)」
看取り期の介護
2021年度の介護報酬改定により、看取り期の2時間ルールの運用が弾力化されました。そのため、頻繁に訪問介護が必要となる看取り期においては、2時間間隔が空いていなくてもそれぞれの単位数で計算されます。
厚生労働省「令和3年度介護報酬改訂について」
まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事では、訪問介護の2時間ルールについて、どのように算定されるのかや、適用条件、例外など、詳しく解説しました。
介護職員の方も介護サービスを利用する方も、2時間ルールをしっかりと理解しておきましょう。
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・2時間ルールとは、訪問介護の間隔を空ける規定
・介護サービスの報酬を正当に計算するために必要なルール
・頻回型や看取り期などの例外もある