すでに介護職に就かれている方も、将来介護職に就きたいと考えている方も、気になるのはやはり金銭面ではないでしょうか。本記事では、日本で不自由なく生活するために必要とされる、年収500万円を介護士が稼ぐことはできるのか、介護職の平均年収から給料を上げる方法まで含めて解説します。
介護職の平均給料
まずは、介護職の給料がどれくらいか、データを見て解説していきます。
職種ごとの平均給料
職種 | 給料平均(常勤)[円] | 給料平均(非常勤)[円] |
介護職員 | 187,180 | 140,380 |
看護職員 | 236,640 | 163,490 |
生活相談員・支援相談員 | 218,110 | 229,210 |
リハビリ専門職員 | 230,340 | 238,930 |
ケアマネージャー | 220,720 | 172,100 |
事務職員 | 205,860 | 150,880 |
調理員 | 182,530 | 122,310 |
管理栄養士・栄養士 | 210,550 | 158,010 |
引用:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.197)」
上記の表は、介護職員の平均給料を他の職種と比較したものです。他の職種の平均給料と比べると、比較的低い傾向にあることがわかります。
施設形態ごとの平均給料
施設形態 | 給料平均(常勤)[円] | 給料平均(非常勤)[円] |
介護老人福祉施設(特養) | 195,380円 | 147,110円 |
介護老人保健施設(老健) | 183,680円 | 178,070円 |
介護療養型医療施設 | 165,270円 | データなし |
介護医療院 | 168,700円 | 146,630円 |
訪問介護事業所 | 192,340円 | 138,820円 |
デイサービス | 185,260円 | 132,360円 |
デイケア | 178,180円 | 148,630円 |
特定施設入居者生活介護事業所 | 183,770円 | 161,530円 |
小規模多機能型居宅介護事業所 | 180,700円 | 170,480円 |
認知症対応型共同生活介護事業所 | 174,850円 | 142,420円 |
引用:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果(p.200)」
上記の表は、介護施設ごとの介護職員の平均給料です。特養の介護老人福祉施設や、訪問介護事務所の給料(常勤)は19万円以上と、他の介護施設と比べて高いことがわかります。
日本で不自由なく生活するために必要な年収とは?
日本で不自由ない生活を送るために必要な年収は、生活水準や住む地域などによって異なりますが、一般的には年収500万円以上が必要とされています。これは、健康保険や年金保険料、住居費、食費、交通費、教育費など、基本的な生活費を全てカバーすることを考えたときに必要な金額です。
ただし、都市部など生活費が高い地域では、より高い年収が必要となる場合がありますし、また、個人のライフスタイルや家族の人数によっても必要な年収は異なります。そのため、「より豊かな暮らしがしたい」「家族を養う必要がある」という介護職員の方は、より多くの給料をもらうことを考える必要がありそうです。
介護士が年収500万円稼ぐことはできる?
介護士が年収500万円を稼ぐことはできます。しかし、そのためにはいくつかの条件を満たす必要があります。介護士の年収は、経験、資格、雇用形態、勤務地、勤務時間などの要因によって大きく異なるため、一概には言えませんが、以下のような条件があれば可能性が高まります。
1. 介護福祉士や社会福祉士、看護師などの高い資格を持っている
介護福祉士の資格を持っている場合、未取得者に比べて月額2万円以上、年間で24万円以上程度の給与アップが期待できます。また、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)や介護職員基礎研修(旧ヘルパー1級)などの資格を持っている場合にも、給与アップが期待できます。
2. 経験豊富である
介護士の給与は、経験年数に応じて上昇することが一般的です。しかし、その程度は職場や地域によって異なります。一般的には、未経験から数年経験を積んだ段階で比較的大きな給与アップがある傾向にあります。
3. 正社員である
正社員は、雇用形態が安定しているため、年功序列や賞与などの仕組みが整備されている場合が多く、給与面でのメリットがあります。また、正社員になることで、社会保険や退職金制度などの福利厚生が整備されることもあります。
4. 勤務地が都市部である
例えば、東京都心部での介護士の平均時給は、2021年時点で1,500円程度です。一方、地方の場合は、平均時給が1,000円程度であることが多いです。
5. 勤務時間が長い
ただし、介護士の年収が高くなることは決して容易ではなく、現実的な目標としては、介護士の平均年収よりも高いレベルを目指すことが望ましいです。また、介護士の仕事は肉体的、精神的にも負担が大きいため、仮に高額な報酬が得られるとしても、その負担を考慮した働き方をしましょう。
介護職の給料は低すぎる?
介護士の仕事は、高齢者や障害者などの生活支援や医療支援を行う非常に重要な役割を担っています。そのため、介護士の給料が、その重要性や責任に見合っているかどうかは議論の余地があります。
近年は賃金引き上げが進む
一般的に、介護士の給料は比較的低く、労働条件や待遇に不満を持つ人も多くいます。しかしながら、介護職における労働環境や待遇の改善が求められる中、近年では介護士の賃金引き上げが進んでいます。
また、介護士の仕事は、身体的・精神的な負担が大きく、ストレスや過重労働による健康被害が起こりやすいとされています。そのため、給料だけでなく、労働環境や待遇の面での改善も必要不可欠であると言えるでしょう。