服薬介助って?介護士ができることの線引きや実施時のポイントを解説

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この記事でわかること
・服薬介助を行うための前提要件
・介護士ができること、できないこと
・服薬介助のポイント

介護士として働いていると、服薬介助のお仕事をする機会があるかと思います。介護士が行える医療行為も時代とともに変わっている中で、服薬介助をどのように行えば良いのか、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、介護の現場での服薬介助について、介護士ができることの線引きや介助時のポイントなど、詳しく解説していきます。

介護士ができる医療行為全般について知りたい、という方は以下の記事をご覧ください。

 

服薬介助とは

そもそも服薬介助とは、高齢者や身体的制約を持った人々などが、薬を適切に服用するために支援を行うことをいいます。正しい薬を適切な方法で服用し、より安全に、より高い効果を出すために、介護士が介護を受ける方の代わりに薬を管理します。

規制緩和により介護士でも服薬介助が可能に

高齢化が進む日本では、元々医療従事者しか行うことができなかった医療行為の一部が、介護職員でも行えるように規制が緩和されています。例えば、

  • 内服薬の服薬介助
  • 外用薬の塗布
  • 湿布薬の貼り付け
  • 点眼薬の使用介助
  • 浣腸行為
  • 坐薬の挿入

などが挙げられます。私たちも日常生活で行う、湿布薬の貼り付けや点眼薬の使用なども、医療行為であり、以前は行えなかったようです。規制の緩和で介護の業務がスムーズになったのは間違いないですね。

しかし、これらの医療行為を介護職員が行うためには、クリアしなければならない前提要件というものがありますので説明していきます。

前提要件1:患者の状態

  • 入院・入所して治療する必要がなく、容態が安定している
  • 副作用の危険性や投薬量の調整などを目的とした、医療従事者による連続的な経過観察が不要である
  • 内用薬の誤嚥、坐薬の肛門からの出血の可能性など、該医薬品の使用方法に専門的な配慮が不要である

前提要件2:専門職の関わり

  • 患者の状態が前提要件1を満たしていることを、医療従事者が確認している
  • 医療従事者が、医療従事者以外でも医薬品使用の介助ができることを、本人または家族に伝えている
  • 使用する医薬品が、医師の処方を受けたものである
  • 薬剤師からの服薬指導が行われている
  • 看護職員からの保健指導・助言が行われている

前提要件3:適切に授与された医薬品

  • 薬袋などによってあらかじめ患者ごとに区分して、授与された医薬品である
  • 一包化(内用薬を曜日や服薬時間帯ごとにひとまとめにすること)が当該医薬品を授与する薬剤師によってなされている

以上の要件に当てはまらない場合、介護職員の方は医療行為を行わず、本人や担当の医師などに相談しましょう。

服薬介助のポイント

介護士ができること、できないこと

・一包化された薬の準備
・服薬の声かけ
・薬を飲み切るための手伝い
・患者さんの容態が安定していない時の服薬の手伝い
・経過観察が必要な状況での服薬の手伝い
PTPシートから薬を取り出す
基本的には、服薬介助を行うことができるケースの方が多いです。しかし、患者さんの容態によって対応は変わり、間違った判断をすると命に関わる危険性もあります。医師や本人との確認を怠らないようにしましょう。

介助時のコツ、注意点

服薬介助のプロセス

  1. 準備:服薬介助を始める前に、薬の情報を確認する必要があります。薬の情報とは、種類、服用方法、服用のタイミングなどです。さらに、医師からの特記事項がある場合、そちらも忘れず確認しましょう。
  2. 薬の確認や整理:一度に複数の種類の薬を服用することもあります。それぞれの薬をしっかりと区別し、混同しないように整理します。
  3. 薬の提供:整理した薬を患者さんが正確に服用できるよう、渡す時にも注意を払いましょう。また、患者さんの状況によっては、薬を砕いたり、溶かしたり、食べ物に混ぜたりといった特別な対応が必要になる場合もあります。
  4. 服薬のサポート:患者さんが薬を正しく服用できるようにサポートするのが、服薬介助で最も重要なポイントとも言えます。薬を飲むことを促す声がけや、事故が起きないように服薬を終始見守っておくことなど、患者さんに寄り添った対応が必要です。
  5. 服薬の記録や報告日時や方法、服薬量など服薬の実施状況を正確に記録します。もしも、患者さんが服薬によって特定の反応・副作用を示すことがあれば、医師への報告をする必要があります。

服薬介助を行う際の注意点

  • 薬への理解:介護職員は、医療従事者ではありません。薬を扱う時には細心の注意が必要になります。その薬が何を治療するためのものなのか、どんな副作用があるのかなど、最低限の情報は理解しておきましょう。
  • 高齢者の身体能力の理解:われわれが容易に行える行動でも、高齢者にとっては難しかったり、危険性があったりする可能性があります。服薬介助を行う際にはこうしたことを意識し、安全に服薬ができるように介助しましょう。
  • スケジュール管理:医師が提示したスケジュール通りに服薬が行えるよう、スケジュール管理する必要があります。認知機能が低下している方は、薬を飲むことや飲んだことを忘れてしまうことがあるので、お薬カレンダーを作ったり、声掛けをしたりして、飲み過ぎや飲み忘れを防ぎましょう。
  • 患者さんとのコミュニケーション:服薬介助を業務としてただこなすだけではなく、なんのために薬を飲むのかの説明や、体調の変化の聴取など、コミュニケーションをとりながら行いましょう。

服薬を拒否されたら?

患者さんによっては、薬が苦手で、服薬を拒否されることもあります。そうした場合の対応方法を以下にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

  • 理由を尋ねる:「粒が大きくて飲み込むのが怖いから」「副作用が起きるかもしれないから」など、患者さんが服薬を拒否する理由は様々です。まずは患者さんの気持ちに寄り添い、理由を聞いてみましょう。
  • 選択肢を提示する:患者さんが服薬を拒否する理由を知った上で、選択肢を提示してみましょう。例えば、粒が大きいことが理由であれば、砕いて飲んだり、薬を変えたりできます。このような選択肢を提示し、患者さんが納得できる形を探ります。
  • 患者さんを尊重する:薬が飲めないからといって、怒ったり、服薬を強要するのはNGです。患者さんの気持ちやペースを尊重し、コミュニケーションを取って最適な解決策を見つけてください。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。この記事では、介護の現場での服薬介助について、介護士ができることの線引きや介助時のポイントなど、詳しく解説しました。

服薬介助は、正しく行えるかどうかで患者さんの命に関わったり、逆に容態が改善したりと、非常に重要な行為です。ポイントを押さえて、正しく行いましょう。

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この記事の監修者元サイバーエージェントクリエイティブディレクター:松浦準之助
元サイバーエージェントクリエイティブディレクター:松浦準之助 株式会社SOKKIN 人材副事業責任者

2014年にサイバーエージェントに入社。金融業界を中心に幅広い業界のクリエイティブディレクションに従事。その後、2023年より株式会社SOKKIN でクリエイティブ責任者として従事

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