訪問介護の業務の中には、食事作りをしなければならないこともしばしばあります。
「料理を作るのが苦手……」「美味しくないと担当を変えられた」「献立を考えたくない……」など食事作りに悩む人も少なくありません。
この記事では、訪問介護の食事作りにおける、できるだけ負担やストレスを減らす方法や具体的なレシピなどを詳しく解説していきます。
訪問介護における、ご飯づくりのポイント
料理が苦手な人にとってはつらい業務ですが、ポイントを押さえておけば少し楽に進めることができます。食事作りを楽にするポイントを以下にまとめました。
- ご飯をまとめて炊いておく
- 作り置きをする
- 簡単で時短できるレシピを知る
- 一緒に作る・好みを聞いておく
ご飯をまとめて炊いておく
利用者さんの許可があれば、ご飯をまとめて炊いて冷凍しておく方法があります。いちいち炊かずに済み、レンジなどで解凍するだけですぐに食べられるので、手間を省くことができるでしょう。利用者さんが自分でレンジを利用して解凍できる前提にはなりますが、利用者さんも自身で気軽に食べることができるというのも大きなメリットです。利用者さんの許可を取り、事業所にも確認をとってから行いましょう。
作り置きをする
作り置きや冷凍食品を活用すると、毎回作らなくてもよくなり食事の準備時間を大幅に短縮できます。ご飯と同じく、利用者さんが好きな時に食べることも可能です。しかし、作り置きはケアプランに含まれていない場合は不可能なので、こちらもしっかり確認してください。
余裕のある時にまとめて調理しておき、小分けにして冷凍保存しておくと良いでしょう。
簡単で時短できるレシピを知る
簡単な時短レシピを知っておくとそれだけで簡単においしい食事を作ることができるので、事前にストックしておくことは非常におススメです。サービス提供時間内に終わるよう、できるだけ簡単で自分が真似しやすいものを選びましょう。また、同じ職場で働く訪問介護員に共有したり教えてもらったりすることで、担当が変わったとしても、それにより食事の味が大きく変化してしまうのを防ぐことにつながります。
一緒に作る・好みを聞いておく
ご飯づくりのストレスを減らす方法として、利用者さんと一緒に作れるよう声掛けをするというものがあります。
料理が苦手でも、野菜をちぎったり炒めたりといった簡単な作業や味付けなど、利用者さんのできる範囲で協力をしてもらうことで、利用者さんにとって味や料理に対する不満も起きにくくなることが期待できます。利用者さんの自身でできることが増えていくきっかけになるかもしれません。
それが難しい場合でも、利用者さんの好きな味付けなど具体的な好みは必ず把握しておきましょう。
おすすめ作り置きレシピ
鶏胸肉の煮物
[材料]- 鶏胸肉:2枚
- しょうが:1かけ(スライス)
- にんにく:2かけ(みじん切り)
- しょうゆ:大さじ3
- みりん:大さじ2
- 砂糖:大さじ1
- 水:適量
- ねぎ:適量(みじん切り)
- 鶏胸肉を水で洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。
- 鍋に鶏胸肉、しょうが、にんにく、しょうゆ、みりん、砂糖を入れます。
- 鍋に、鶏肉が浸かる程度の量の水を注ぎます。
- 鍋を中火にし、煮立ったらアクを取ります。
- 蓋をして弱火にし、約15分から20分間、鶏肉が柔らかくなるまで煮込みます。
- 鶏肉が柔らかくなったら、火から下ろし、冷まします。
- 冷めたら鶏肉を取り出し、手で食べやすい大きさにほぐします。
- 煮汁を鍋に戻し、強火にしてとろみをつけます。煮汁にとろみがついたら火から下ろします。
- 鶏肉を煮汁に戻し、よく絡めます。
- ねぎのみじん切りを散らし、冷蔵庫で保存します。
利用者さんが食べやすいよう、鶏肉は良くほぐしておきましょう。煮汁の味がよく染み込む、作り置きしやすいレシピです。
野菜カレー
[材料]- にんじん:2本(薄切り)
- じゃがいも:2個(一口サイズに切る)
- 玉ねぎ:1個(薄切り)
- カレールー:適量(お好みのものを使用)
- オリーブオイル:大さじ1
- にんにく:2かけ(みじん切り)
- 生姜:1かけ(みじん切り)
- 水:適量
- 塩:少々
- こしょう:少々
- 鍋にオリーブオイルを熱し、にんにくと生姜を炒めます。
- 玉ねぎを加え、透明になるまで炒めます。
- にんじんとじゃがいもを加え、炒めます。
- 野菜が軽く炒まったら、水を加えて煮込みます。野菜がかぶるくらいの量の水を目安に加えてください。
- 野菜が柔らかくなるまで中火で煮込みます。
- カレールーを加え、溶けるまでよく混ぜます。
- 好みの濃さになるまで煮詰め、塩とこしょうで味を調えます。
- 火から下ろし、冷めたら適量ずつ容器に分けて保存します。
栄養豊富な野菜を使ったヘルシーな一品です。カレールーの種類や辛さは、利用者さんの好みや健康状態に合わせて調整してください。ご飯やパンと一緒に提供すると、食事のバリエーションも増えるでしょう。
ブロッコリーとベーコンのサラダ
[材料]- ブロッコリー:1個
- ベーコン:数枚
- マヨネーズ:大さじ2
- ヨーグルト:大さじ2
- レモン汁:小さじ1
- 塩:少々
- こしょう:少々
- ブロッコリーを小さな花束に分け、茹でて冷水に取り、水気を切ります。
- ベーコンをフライパンでカリッと焼き、キッチンペーパーで余分な油を取り除きます。ベーコンを細かく刻みます。
- ボウルにマヨネーズ、ヨーグルト、レモン汁、塩、こしょうを入れ、よく混ぜ合わせます。
- ブロッコリーとベーコンをボウルに加え、ドレッシングとよく絡めます。
- サラダをラップで包み、冷蔵庫で保存します。
このレシピは、マヨネーズとヨーグルトを使用したドレッシングでさっぱりとした味わいに仕上げていますが、もちろんお好みで他のドレッシングや調味料を使用してアレンジすることもできるので、利用者さんの好みに合わせて味付けを調整してください。
おすすめ時短レシピ
鮭のホイル焼き
[材料]- 鮭フィレ:1切れ
- 野菜(好みのもの):適量(例:にんじん、ズッキーニ、パプリカなど)
- 塩:少々
- こしょう:少々
- レモン:数片
- オリーブオイル:大さじ1
- オーブンを180度に予熱します。
- アルミホイルを適当な大きさに切り、上にオリーブオイルを薄く塗ります。
- 鮭フィレに塩とこしょうをふり、ホイルの上に乗せます。
- 野菜を適当な大きさに切り、鮭の周りに散らします。
- レモンのスライスを鮭の上にのせます。
- ホイルを閉じてしっかりと包み、オーブンで15〜20分焼きます。
- 焼き上がったら、ホイルを開けて盛り付けます。
オーブンで調理するため、比較的手間がかかりません。また、アルミホイルを使って調理することで、調理後の片付けも簡単にすることができます。
野菜カレー
[材料]- 鶏もも肉:1枚
- 焼き肉のたれ:大さじ2
- ごはん:適量
- きざみ海苔:適量
- 青ねぎ:適量
- 鶏もも肉を一口サイズに切ります。
- フライパンに鶏もも肉を入れ、中火で炒めます。
- 鶏もも肉に焼き肉のたれを加えて炒め、全体に絡めます。
- 炒めたチキンを丼に盛り付け、ごはんの上にのせます。
- きざみ海苔と青ねぎをトッピングします。
鶏もも肉は調理が早く、焼き肉のたれで味付けすることで手間を省けます。
また、注意点として、鶏もも肉に火を完全に通すように調理してください。利用者の咀嚼や摂取の難しさに応じて、鶏もも肉の切り方や火の通し具合を調整する必要もあります。
豚キャベツ炒め
[材料]- 豚肉(薄切り):200g
- キャベツ:1/4個
- にんじん:1本
- しょうが(みじん切り):1片分
- にんにく(みじん切り):1片分
- 醤油:大さじ2
- ごま油:大さじ1
- ごま:適量
- 塩:少々
- こしょう:少々
- キャベツは千切りに、にんじんは薄い半月切りにします。
- フライパンにごま油を熱し、しょうがとにんにくを香りが立つまで炒めます。
- 豚肉を加えて炒め、色が変わるまで炒め続けます。
- キャベツとにんじんを加えて炒め、野菜がしんなりするまで炒め続けます。
- 醤油を加えて全体に絡め、塩とこしょうで味を調えます。
- 器に盛り付けし、ごまを振りかけて完成です。
このレシピは、豚肉は早く火が通り、キャベツやにんじんも炒めるだけで調理が完了します。
ここでは調味料は醤油のみでシンプルに仕上げていますが、利用者さんの好みに合わせて調整しましょう。
まとめ
料理が苦手な方にとって、訪問介護のご飯づくりは決して楽しいものではないかもしれません。しかし、ポイントを押さえて工夫すれば、そのストレスは軽減することができます。
この記事が、訪問介護のご飯づくりに苦手意識を持つ方のお役に立てれば嬉しいです。
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