介護士はうつ病になりやすいって本当?|介護職の実情や辛い時の対処法を紹介

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介護の職場は、肉体的にも精神的にも辛い場面が多いですよね。厳しい環境の中で働き続けることで、心に病をおってしまう可能性も大いにあります。

この記事では、介護職がうつ病になりやすいといわれる理由や、もしうつ病になってしまった時の対処法など、介護職とうつ病の関係性について詳しく解説していきます。不安な気持ちを抱えている方は、本記事を参考にしてみてください。

 

うつ病とは?

そもそもうつ病とはなんなのでしょうか。以下に厚生労働省のうつ病の解説を紹介します。

うつ病は、一言で説明するのはたいへん難しい病気ですが、脳のエネルギーが欠乏した状態です。それによって憂うつな気分やさまざまな意欲(食欲、睡眠欲、性欲など)の低下といった心理的症状が続くだけでなく、さまざまな身体的な自覚症状を伴うことも珍しくありません。
つまり、エネルギーの欠乏により、脳というシステム全体のトラブルが生じてしまっている状態と考えることができます。

私たちには自然治癒力という素晴らしい機能が備わっていて、通常はさまざまな不具合を回復へ導いてくれます。私たちは日常生活の中で、時折憂うつな気分を味わいます。不快な出来事によって食欲が落ちることもあります。
しかし、脳のエネルギーが欠乏していなければ、自然治癒力によって、時間の経過とともに元気になるのが通常です。時間の経過とともに改善しない、あるいは悪化する場合には、生活への支障が大きくなり、「病気」としてとらえることになります。生活への支障が大きくなると、仕事・家事・勉強など本来の社会的機能がうまく働かなくなり、人との交際や趣味など日常生活全般にも支障を来すようになります。
(引用:厚生労働省 こころの耳より)

 

介護職はうつ病になりやすい?

精神疾患を訴える介護職員は5年で2倍に

(引用:日本経済新聞より)

厚生労働省の集計によると、仕事が原因でうつ病などの精神疾患を発症し労災を申請した介護職員は、2009年から2014年の5年間で2倍に増えたそうです。業種別の労災認定を見ても、精神疾患で認定されている数が道路貨物運送業に次いで2位となっており、介護業界の環境が悪化していることが考えられます。今から7年前のデータになるため、現状に変化がある可能性もありますが、精神的に辛い業種であることに変わりはないでしょう。

介護職がうつ病になりやすい理由

では、なぜ介護の業界ではうつ病をはじめとする精神疾患を発症してしまう方が多いのでしょうか。主な理由とされる4つを以下に紹介します。

長時間労働などによる身体的負担が大きい

介護職では、長い間問題になっている人手不足の影響もあり、長時間労働や不規則なシフトでの勤務が求められます。さらに、介護を必要とする方は高齢者や身体的に弱った方のため、仕事内容そのものの身体への負担が大きいです。体の疲れは心の疲れにつながり、うつ病のリスクを高めます。

感情的なつながりによる精神的負担が大きい

介護職では、重い病を患う人や孤立感を抱える人、コミュニケーションを取ることが難しい人などと接する機会が多いです。こうした人と密接に関わり、辛い状況を目の当たりにすることになれば、精神的に負荷がかかってしまう可能性があります。

責任感の強さによる負荷が大きい

介護の業界で働かれている方は、介護をする方の生活や健康を担う存在になるため、責任感が強い傾向にあります。介護をする方も、言ってしまえば他人。自分以外の人生への責任を持つということは非常に重圧がかかり、ストレスになってしまうかもしれません。

自己犠牲的な働き方をする傾向がある

介護職の方々は、自分自身のケアを後回しにしてでも、介護をする方へのサービスを行ってしまうことがあります。そうした状況では自分にかかっているストレスに気付けず、気づいた時には精神疾患を患っている、なんてこともありえます。

以上のように、介護職の方がうつ病になりやすい理由は単純なものではなく、労働環境や介護の業界で働く人の傾向など、様々な要因が複雑に絡み合っていることがわかります。

うつ病になりやすい人の特徴

介護職がうつ病になりやすい理由を紹介しましたが、個人の性質によってもなりやすさは変わります。以下にうつ病になりやすい人の特徴を紹介しますので、自分が当てはまっているか確認してみてください。

遺伝的要素

実はうつ病は遺伝する可能性があります。親族にうつ病の症状を抱える人がいる場合には、注意が必要です。

ネガティブな性格

「どうせできない」「私なんか、、、」とネガティブで自己批判的な思考が強い方は、うつ病になりやすいとされています。

ストレスレベルが高い

長期間にわたってストレスがかかり続けていたり、生活の劇的な変化や辛い出来事が重なったりすると、これまで元気で明るかった人でもうつ病になる可能性があります。

孤独感を強く感じている

社会的なサポートが足りず、周りに頼れる人がいないような、孤独感を強く感じてしまう状況では、うつ病になりやすい傾向があります。

慢性的な病気を抱えている

慢性的な病気や身体的な問題を抱えている人は、日々の生活で制限されることが多く、生きづらさから心理的負担を感じ、うつ病になる可能性があります。

薬物やアルコールを乱用している

薬物やアルコールを適正な量以上摂取すると、一時的に気分は高揚しますが、長期的にはうつ病など精神疾患の引き金となる可能性があります。

以上がうつ病になりやすい人の特徴ですが、あくまでこれは一つの指標であり、ここに当てはまらない人でもうつ病になる可能性があります。

 

辛いと感じた時の対処法

「今の環境に耐えられない」「ストレスが多くて辛い」と感じている方は、以下のような対処法を試してみましょう。

生活習慣の改善

介護職の方々は、生活習慣が乱れやすいです。バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動と言った、生活の基本を見直し、健康的な日常を維持しましょう。

自己ケアに時間を使う

瞑想やストレッチなどのリラックス法を実践したり、自分の趣味や興味があることをしたりする時間を作りましょう。自分と向き合い、自分の好きなことをする時間は、人生を明るくしてくれます。

周りの人に助けを求める

責任感が強い人だと、「こんなことで周りに迷惑をかけられない」と、1人で悩みを抱え込んでしまうこともあるでしょう。ですが、辛い状況を改善するには周りのサポートが必要です。悩みを打ち明けてみてください。人に話すだけでも、心の重荷が軽くなります。

仕事とプライベートのバランスを適切にする

介護の業界では、毎日仕事に追われ、プライベートの時間がほぼ確保できない人も多いかもしれません。一度休職してみたり、もし職場に問題があるようなら転職したりするのも一つの案です。介護士を求めている場所はたくさんあります。不安に思わず、まずは自分の心を安らげることを第一に考えましょう。

症状を記録する

日々の自分の状態や感情の変化などを、日記などで記録しておきましょう。医療専門家が治療法を決める際の参考になるのはもちろんのこと、自分の状況と向き合うことでストレスの原因を突き止め、改善できるかもしれません。

専門家に相談する

うつ病などの精神疾患は自力で治すのに限界があります。1人で抱え込み続ければ、最悪の場合死に至ることも考えられます。本当に辛い、苦しいと感じた時でなくても、気になることがあれば専門家に相談するようにしましょう。早期発見できれば早期治癒ができます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。この記事では、介護職がうつ病になりやすいといわれる理由や、もしうつ病になってしまった時の対処法など、介護職とうつ病の関係性について詳しく解説してきました。

介護職は本当に辛い仕事ですが、その分やりがいも大きいです。介護の仕事がやりたくて就職したのに、職場の環境がストレスの原因となっている場合は、転職を考えてみるのはいかがでしょうか。

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この記事の監修者元サイバーエージェントクリエイティブディレクター:松浦準之助
元サイバーエージェントクリエイティブディレクター:松浦準之助 株式会社SOKKIN 人材副事業責任者

2014年にサイバーエージェントに入社。金融業界を中心に幅広い業界のクリエイティブディレクションに従事。その後、2023年より株式会社SOKKIN でクリエイティブ責任者として従事

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