【介護士の働き方調査】半数以上の介護士が「業務量が多すぎる」と回答。「上司が有給休暇を勝手に割り振り、個人的には取らせてもらえない」という声も。

調査データ

株式会社SOKKIN(本社:東京都新宿区西新宿6丁目11−3 Dタワー西新宿 14F、代表取締役社長:本間 亮平)は、介護士向け転職エージェント比較サイトを運営し、介護士の転職支援を行っています。

調査サマリー

・5.5割が1人あたりの「業務量が多すぎる」と回答
・「サービス残業がある」介護士は14%
・残業時間は「1~5時間未満」が最多の約3割
・23%が11時間以上の勤務間インターバルを「空けていない」と回答
・日看協のガイドラインを超える月に「9回以上」の夜勤をしている方が8%
・有給休暇の1年あたりの取得日数は「6~10日」が最多。一方で取得義務の「5日以上」を下回る回答も
・7割以上が有給休暇を「取りずらい」と感じている
・45%の介護士が現在の働き方に「満足していない」
・全体の1割以上の介護士が職場で不当な解雇が行われていると回答
・職場への不満は、人員不足や給与に関してが多い

調査の背景

近年、介護士の労働環境や働き方に対する関心が高まっています。特に、残業や夜勤などによる長時間勤務や過重労働、また精神的・肉体的負担が問題視されており、介護士の離職率や職場の人手不足も深刻な課題となっています。さらに、コロナ禍を経て、介護士の仕事に対する認識や労働条件が一層注目されています。では現在、介護士の働き方はどのような実態なのでしょうか?
2024年10月にインターネット調査で実施したアンケートの回答結果をもとに、介護士の「職場での業務量」「残業に関して」「勤務間のインターバル」「夜勤に関して」「有給休暇に関して」「職場の満足度」「不当な解雇に関して」などをお伝えします。

調査の詳細

「(介護士限定)介護士の働き方に関する簡単アンケート」
介護士の職場の働き方について調査する。

・調査日:2024年10月22日〜2024年10月27日
・調査方法:株式会社クラウドワークスのパネル利用によるインターネット調査
・対象者:現在介護士の方
・回収サンプル数:56票

調査結果

5.5割が1人あたりの「業務量が多すぎる」と回答

「Q1. 現在の職場の1人あたりの業務量は適切ですか? 」という問いに対して、「業務量が多すぎる」という方が55%、次いで「適切な業務量」という方が29%という結果になりました。

「サービス残業がある」介護士は14%

「Q2. 職場での残業について教えてください 」という問いに対して「残業時間は適切で残業代も出る」が37%と最も多く、次いで「残業時間は多いが残業代は出る」が27%という結果になりました。
一方で、「サービス残業がある」と回答した方が14%おり、一部の現場で労働環境の改善が必要であるということがわかりました。

残業時間は「1~5時間未満」が最多の約3割

「Q3. 残業時間はどのくらいですか? 」という問いに対して「1時間以上5時間未満」という回答が最多で29%、次いで「1時間未満」が23%という結果になりました。

23%が11時間以上の勤務間インターバルを「空けていない」と回答

働き方に関して、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定の合間をもうける『勤務間インターバル制度』というものがあります。日看協によると勤務間インターバルは11時間以上と提言されており、厚生労働省もこれと同程度の勤務間インターバルを介護業界でも採用することを推奨しています。
ですが「Q4. 勤務と勤務の間は11時間以上空けていますか?」という問いに対して、「空けていない」という回答が23%という結果になりました。
人材不足などが原因で、勤務間インターバルがしっかり取れていない介護士もいるということがわかりました。

日看協のガイドラインを超える月に「9回以上」の夜勤をしている方が8%

「Q5. 1ヶ月あたりの夜勤の回数はどのくらいですか?(3交代勤務の方のみ回答)」という問いに対して、「1~6回」と回答した方が最も多く63%という結果になりました。
また介護業界では1ヶ月の夜勤回数に上限は設けられていませんが、看護業界では「月8回以内」を指標としています。今回の調査で「9回以上」と回答した介護士の方は8%見られました。

有給休暇の1年あたりの取得日数は「6~10日」が最多。一方で取得義務の「5日以上」を下回る回答も

「Q6. 有給休暇は一年に何日取得していますか?」という問いに対して、「6~10日未満」が最多の34%、次いで「5日」という回答が30%という結果になりました。
2019年4月の労働基準法改正で、「年間5日以上の有給取得」が義務化されましたが、いまだに5日以上取得できていない人も16%見られました。

7割以上が有給休暇を「取りずらい」と感じている

「Q7. 有給休暇は取りやすい環境ですか?」という問いに対して、「時期によっては取りずらい」という回答が39%で最多で、次いで「取りずらい」という回答が32%でした。
全体の7割以上がある程度、有給休暇を「取りずらい」と感じているということがわかりました。

45%の介護士が現在の働き方に「満足していない」

「Q8. 現在の働き方に満足していますか?」という問いに対して、「まあ満足している」という回答が38%で最多という結果になりました。次いで「あまり満足していない」という回答が34%でした。
全体として、45%の介護士が働き方に「満足していない」ということがわかりました。


「Q8-2. 上記の理由を教えてください。(自由記述)」という問いに対しては、以下のような声が上がりました。

【とても満足している(以下一部抜粋)】
・福利厚生はしっかりしており給与も平均はもらえているから。(30代)
人間関係が良好で、アットホームなので。(20代)
・働き方については満足している。仕事量が適切で、重労働が少ない。(40代)

【まあ満足している(以下一部抜粋)】
・オーバーワーク気味ではあるものの、夜勤の翌日は休みが取れるところや、勤務シフトの希望が通りやすいところは良い。(30代)
・忙しいときはとても忙しいが、その分手当もあるし、休みは取れるので満足している。(30代)
職員の人数は確保されているので、希望があれば有給取れるから。(30代)

【あまり満足していない(以下一部抜粋)】
人が足らず常に厳しい状態。(40代)
・責任ある仕事が増える一方で給料はあがらない、残業が増えるといった悪循環のため。(30代)
残業しても残業代がないので、やる気に繋がらない。(30代)
・属人化・担当制になっていて交代ができない。癖の強い利用者様に対してストレスもたまってしまいますし休みにくい。(20代)
有給が勝手に組み込まれる。(30代)

【全く満足していない(以下一部抜粋)】
風通しが悪すぎる。古い職員の考え方が正しく、新しいことを口にしても否定される。(20代)
・年に4回、有給消化と合わせて5連休が取れるという話があったが、職員が不足しているため実際は全く取れない。(40代)

全体の1割以上の介護士が職場で不当な解雇が行われていると回答

「Q9. 職場で不当に解雇を言い渡された、またはそのような人を見たり聞いたりしたことはありますか?」という問いに対して、11%の方が「ある」と回答しました。その内訳として、「不当に解雇された人を見た」方が4人、「自分が不当に解雇された」という方が2人という結果になりました。

「Q9-2. 不当解雇に関して、具体的なエピソードがあれば教えてください。(自由記述)」という問いに対しては、以下のような声が上がりました。

職場内の飲み会でトラブルがあり、不当解雇になった先輩がいます。
・同じ職場だった方がなかなか業務についてこれない状態で、また失敗ばかりをしたり、入居しているご利用者様に対してケガをさせてしまった原因で人事の方から不当に解雇をしたところを見たことがある。
仕事などで上司との意見が合わず言い合いになることがあると、それが気に入らない上司から不当に相手へ解雇を言い渡されるのを見たことがある。

職場への不満は、人員不足や給与に関してが多い

「Q10. その他、職場に関して不満な事などがあれば教えてください。(自由記述)」という問いに対しては、以下のような声が上がりました。

【人員不足(以下一部抜粋)】
・人がすぐに辞めていく。(30代)
職員の離職率がとにかく高い。減った分の人員をタイミーで補っているため、職員の負担がいつも大きい。(40代)
・夜勤専従者がいることにより、日中働いている職員が作業を夜勤に回し過ぎているのが問題だと思う。管理者はまだなったばかりなので、フロアリーダーに強く言えず、ほとんど言いなりになっている。夜勤専従がみんな辞めていくのは負担が理由だということに誰も気づいていない職場なので、私ももう見切りをつけている。(40代)

【給与に関して(以下一部抜粋)】
・昇給などが明確に示されていない。(30代)
・給料が低い、ベースアップ加算や、処遇改善加算を操作されすぎて、長年働いていても年収が変わっていない。残業しても月収が変わらない。(40代)
・お給料が不透明なとこ。(30代)
・時給が低い。手当が色々とついているがそれがなければ大阪府の最低賃金と同等。精神的・肉体的にキツイ職業で基本の時給が低いのは人員不足の原因にもなっていると思う。(30代)

【有給休暇に関して(以下一部抜粋)】
有給休暇はシフトを作成する人が勝手に割り振りし、個人的に取らせてもらえない。(20代)

【カスタマーハラスメント(以下一部抜粋)】
会社が守ってくれている感覚がないこと。介護者と利用者、1対1で責任をもって解決しなければならない感覚がある。(20代)

【人間関係(以下一部抜粋)】
・職場の上司が、お気に入りの職員とそうじゃない職員との対応が違う(40代)
・職場の人間関係が希薄で、コミュニケーション不足を感じる。チームワークの向上が必要。(30代)

今回の調査を通じて

今回の調査で、5.5割の介護士が業務量が多すぎると感じており、回答した14%はサービス残業をしているということがわかりました。また厚生労働省の働き方に関する推奨があるにも関わらず、23%は勤務間インターバルが11時間未満であったり、月に9回以上の夜勤をしている介護士も一定数存在するということがわかりました。さらに、1割以上が不当解雇が職場で存在していると回答しており、職場の人員不足や過重労働、給与面での不満も多く寄せられました。
株式会社SOKKINは、今後も介護士の皆さんがより良い職場環境で働けることを願いながら、現場の声にしっかりと耳を傾け、更なるサービス向上に努めてまいります。

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会社概要

会社名:株式会社SOKKIN
設立日:2021年4月7日
代表者名:本間 亮平
所在地:東京都新宿区西新宿6-11-3 D タワー西新宿 14階
会社HP:https://sokkin.me

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