「スタッフのケアが雑……」「契約内容が違う……」など、ヘルパーへの不満や苦情は、やっぱり直接は言いずらいですよね。このようなサービス事業者やケアマネジャーの場合、苦情受付窓口が設置されているので直接相談することが可能ですが、言いづらかったり、相談したのに改善されなかったりといった場合には、各行政機関に設けられている苦情受付窓口を利用するのが良いかもしれません。
今回は、そんな自治体の苦情受付窓口について詳しくご紹介します。
苦情の相談ができる窓口
区市町村の行政窓口
いわゆる「福祉課」や「保健福祉センター」といった部署にある窓口です。各区市町村の、役所や区役所に窓口が設置されていて、介護サービスに関する苦情や問い合わせを受け付けています。
都道府県の介護保険課・福祉課
各都道府県にも「介護保険課」や「福祉課」があり、介護サービスに関する問題や苦情を受け付けています。これらの窓口は、介護保険制度に関連する問題や介護サービスの運営に関する問題に対応しています。
厚生労働省
国の厚生労働省にも苦情受付窓口があり、介護サービスに関する問題や苦情を報告することができます。厚生労働省のウェブサイトや電話窓口などを通じて相談や苦情の受け付けを行っています。
国民健康保険団体連合会
国民健康保険団体連合会は、健康保険組合の統括組織であり、介護サービスの提供や品質について直接的な関与はないため、具体的な介護サービスに関連する問題に対しての苦情報告は一般的には行われませんが、地域の健康保険組合の運営や組合員サービスについての問題がある場合、団体連合会に報告が行われます。また、区市町村の域を超えて対応困難な場合、申立人が希望する場合はこちらで対応してくれるようです。
運営適正化委員会
運営適正化委員会は、厚生労働省の外局であり、介護保険制度において介護サービスを提供する事業者の運営について監査や調査を行い、適正な運営を確保する役割を担っています。不正な事例や違反行為がある場合、それに関する調査や指導、是正勧告などを行います。
こちらも、一般的な苦情が報告されるような組織ではありませんが、虐待などの安全面に関する問題や、介護サービスが予定通りに提供されなかったり、必要なサービスが欠落している場合など運営上の問題がある場合には、報告されることがあります。
また、介護保険制度の対象となる介護保険サービスの苦情は前述した組織が主に対応していますが、「介護保険制度適用外」のサービスの場合は、こちらに相談することになります。
苦情の実例
サービス提供に関する苦情
「ケアプランの変更に納得がいかない！」
介護度が下がったという理由で、ヘルパーの派遣時間を減らすというプラン変更があり、利用者が納得しなかったケース。窓口に相談し、利用者に介護サービスについて詳しく説明するよう指導が入ったようです。
安全やケアの不備に関する苦情
「介助中にけがをさせられた！」
転倒や事故の発生など安全上の不備があったケース。窓口に相談後、事業所に連絡され、事業所責任者からヘルパーに指導が行われます。また、利用者の納得のいく形になるよう、担当のヘルパーを変更するなどの対応があるようです。
料金や請求に関する苦情
「保険適用と聞いていた費用が全額負担に！」
窓口への報告から、原因として事業者側の手続きミスがあったことが発覚。居宅支援介護業者が全額負担を申し入れ、相談の末、解決したようです。
まとめ
今回は、介護サービスにおける苦情対応について紹介しました。
基本的には地域の行政窓口を利用するとよさそうですが、内容ごとに頼れる組織がたくさんあることを知っておくだけでも安心できそうです。ぜひ参考にしてください！
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